サラリーマンの皆さんは11月になると会社の総務から年末調整の書類を提出するように連絡が来るはずです。
最近はオンラインで入力出来るようになって楽にはなりました。
昔は全て手書きだったので、記入ミスは訂正印やら修正液やら砂消しゴムを動員していました。
そもそも年末調整の意味がわからない
サラリーマンを20年も続けているのに年末調整を簡単に説明しろと言われても自信を持って答えられない。
黙っていても総務や経理が取りまとめてくれるし、必要な書類を書いて出すだけ。
交渉しても年末調整で戻ってくるお金が増えることはない。
そう思い込んで無関心を決め込んでいる人も多いはず。
年末調整の調整とは、ずばり所得税を還付する仕組みの事です。
所得税はどうやって計算するのか
所得税はサラリーマンの場合、年間の所得に対して20%の税率で計算されます。
所得とは会社からもらうサラリーとイコールではないです。
収入から天引きされる「健康保険料」「厚生年金保険料」「介護保険料」などは所得税の対象外なので「控除」されます。
この「控除」という言葉が税金を計算する時のキーワードですね。
控除にはいろいろあって、奥さんがいたり子どもがいれば扶養控除、住宅ローンを組んでいれば住宅取得控除というように、国が繁栄するような方向へのお金の使い方ついてはある一定額までなら税金を軽くしましょう。という仕組みがあります。
所得税とは控除後の手取り、サラリーマンにとっては純所得というより可処分所得という言葉が生々しいですよね。手取りに課される税金が所得税です。
所得税率が決まっているのになぜ調整するのか
会社側は従業員に支払う給料を把握していますが、控除される額は把握しきれていません。
生命保険に入ったり、家を買ったり、子どもがいたり、奥さんと別れたりというような事をいちいち管理し切れないという訳です。
つまり、控除額がつかめないので、年末に一度に従業員から申告してもらいましょうってことです。
では、所得税はその後に払えばいいんじゃないの?控除額が決まってから払えばいいんじゃないの?って考えもありますよね。
商売をやっている人、個人でやっている人なんかは「確定申告」という方法で、毎年2月から3月にかけて12月分までの税金計算で出た所得税を申告しています。
サラリーマンの場合は、会社が従業員に給料を支払った瞬間に従業員が所得を得ることになるので「源泉徴収」と言って、お金が湧き出た瞬間に課税するという仕組みらしいです。
会社としては倒産して従業員の所得税が払えませんって事になるとまずいわけで、月々に一定の割合で計算して見込みの所得税を差っ引いているわけです。
見込みの所得税と実際の所得税の差。この差を調整することが年末調整ってことです。
年末調整が戻ってくる理屈とは
年末調整の後には払いすぎた所得税が戻ってくるという固定概念があります。
会社側も「今年はいくら足りなかったから年末に徴収するよ」というよりは、「取りすぎちゃったから返すよ」という仕組みの方がいい訳です。
そして、所得税は「累進課税」と言って、収入の高い人からはより多く、少ない人からはほどほどにという仕組みになっています。
ちなみにこの表を見て下さい。
国税のHPより。H27以降の速見表です。
所得が、330万円を超え695万円以下の場合は、20%で、控除額427,500円という速算表があります。
600万円の収入の人は、20%つまり、120万円が所得税なんですが、427,500円控除しましょうという計算です。
よって、772,500円が所得税ということになります。高いですねー。
800万円台の人は30%ですから、お金持ちには税金を払ってもらいましょう!って話ですね。
会社は前年度の所得を基準に決めている
国税は表のような基準を持っていますが、会社側は前年度の所得を基準として所得税を弾いて毎月源泉徴収しています。
去年の所得が600万円だった人は、今年毎月引かれる所得税は、課税対象額の20%になっているはずです。
ここではまだ控除額が反映されていません。実際の所得が確定してから控除額を反映させます。
結局いくら戻ってくるのか
12月の給料明細を見るとわかりますが、総支給額はそんなに前月と変わらないのですが、控除など天引きになる額はどうでしょうか。
11月にはなかった年末調整という数字が現れるはずです。支給額から天引き額が引かれて手取りになるわけですが、天引き額が少なければ手取りが増えることになります。
よって、みなしの税率、控除無しの所得税との差がここでマイナスとなって現れ、無事に手取りが増える仕組みになります。
サラリーマンに幸多かれ!
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