2024年パリ五輪の女子マラソン代表に決まっている資生堂の一山麻緒は2023年11月26日の「クイーンズ駅伝in宮城 第43回全日本実業団対抗女子駅伝競走大会」で6区間中最長距離の3区(10.6キロ)を走りましたが、首位でタスキを受けたにもかかわらず失速し、7位まで転落しました。
トップでタスキを受けた一山麻緒だが
資生堂のランナーは次の通りです。1区の五島莉乃がスタートからトップに躍り出ました。
2区の井出彩乃は順位を落とさずに走り、トップで一山麻緒にタスキを渡しました。
一山麻緒は資生堂の連覇に向けてベストを尽くすだけと答えていたが、井出彩乃からタスキを受けたあと、3キロ付近から足取りが重く口を開けて走るようになりました。
4キロすぎに積水化学の佐藤早也伽に距離を詰められ、並ばれるとあっという間に抜かれてしまいました。その後、追走する気配もなく失速し、5キロ手前で4位に落ちました。
5キロを過ぎて5位に落ち、もはやペースダウンに歯止めが効かない状態となりました。
MGCで優勝した第一生命の鈴木優花にも抜かれました。幸い4区にタスキをつなぐことは出来ましたが、順位は7位、ジェプングティチ・ジュディの走りが頼みとなってしまいました。
資生堂のランナーと順位
資生堂のランナーは次の通りです。
- 1区:五島莉乃 1位(区間1位)
- 2区:井手彩乃 1位(区間5位)
- 3区:一山麻緒 7位(区間20位)
- 4区:ジェプングティチ・ジュディ 4位(区間2位)
- 5区:高島由香 2位(区間1位)
- 6区:前田海音 4位(区間12位)
一山のペースダウン、ジェプングティチ・ジュディの追い上げ、高島由香の見事な走りが目立ちます。
マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の疲れが取れなかったのか
10月15日マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)からクイーンズ駅伝まで42日間、6週間です。
マラソンなど陸上長距離はレースとレースの間は4週間から6週間以上空けることが望ましいとされています。果たして一山麻緒には疲労が取れる期間だったのでしょうか。そしてクイーンズ駅伝というスピードレースの準備が可能な期間だったのでしょうか。
レース後のインタビューでは、思うように走れなかったこと、急ピッチでの対応に悔いが残ると話していました。資生堂は連覇どこどか4位という成績で、3区の自分の走りが影響してしまった、チームに迷惑をかけたとがっかりしていました。
MGC優勝の鈴木優花の走りは?
一山麻緒とともに10月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)に出場し、見事優勝した鈴木優花(第一生命グループ)もこのクイーンズ駅伝に出場しました。
鈴木優花はクイーンズ駅伝は初出場で、第一生命グループとしてしっかり走りたいと意気込んでいました。一山麻緒と同じ3区を走りましたが3位でタスキを受けたあと、一山麻緒と同様に3キロ付近から失速し、後続に抜かれて順位を落として5位でタスキをつなぎました。
一山麻緒も鈴木優花もタスキを受けたあとスパートした気配はありませんでしたが、3キロ過ぎから徐々にペースが落ちていきました。ともに3区10キロの長い区間でしたが、後半に疲労を見せたのではなく、序盤にペースダウンしたということは、クイーンズ駅伝に向けた調整不足ではなく、MGC後の疲労が取れていない可能性があります。
解説の高橋尚子さんのコメント
レース実況中の高橋尚子さんは、一山麻緒の走りについてやはりMGCの疲れが取れないように思うとコメントしていました。鈴木優花の走りも同様に調子を落としていることから、MGCのダメージは相当なものと言えそうです。今後、高橋尚子さんのコメントに注目していきたいです。
高橋尚子さんのSNSでは積水化学の走りを評価しつつ、資生堂については5区高島の走りに感動したとコメントしています。
クィーンズ駅伝
— 高橋尚子 (@TakahashiNaoko) November 26, 2023
積水化学優勝🥇中距離〜マラソンまで走れる選手が揃い、適材適所の区間配置で確実に優勝を掴み取りましたね!強かった〜
他にも1区五島さん、3区廣中さん、5区高島さんの走りも胸を熱くしました🔥
2週間後はパリ五輪1万メートル選考レース
このフィニッシュの先は世界に繋がってます🌈 pic.twitter.com/n5cO3oHlcX
一山麻緒はパリ五輪の前にマラソンを走るのか
2024年パリオリンピックの開幕日は、2024年7月26日(金)です。あと242日ありますが、パリオリンピックの前に準備としてマラソンに出ることについて一山麻緒は、レースを選んで結果を残してからオリンピックに臨みたいと語っています。
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