ゲルクッションは体圧分散クッションとか無重力クッションとかいろいろな呼び名がありますが、口コミを調べてとりあえず実物を買って試してみました。
ゲルクッションの中身を見てみる
ゲルクッションの中身はハニカム状のゲルシート。シンプルな構造です。
体圧分散クッションの意味
骨盤の中でお尻の部分には仙骨という骨がありますが、この仙骨と椅子の座面に挟まれたお尻の肉が体重がかかると痛くなります。
短時間ならいいですが、長時間になると仙骨と椅子の座面に挟まれた部分が痛くなったりしびれたりします。
ゲルクッションはこの「部分的な荷重」を分散する仕組みなので、1点に集中せずに快適な座りごごちが得られるというものです。
事務用の椅子、ダイニングの椅子そして車のシートでも試しましたが、背もたれを使わないで座るような場面では体圧分散効果が高いですね。
車のシートやソファでは背もたれにも体重が分散しますが、車の場合は上下の振動を吸収分散してくれるので、腰痛持ちが振動で痛みを感じるような場合は効果が期待できます。
車の振動で腰に痛みを感じるならゲルクッションを車のシートに使うと軽減されるでしょう。
ただし、厚みのあるゲルクッションだとペダル操作に影響が出るかも知れません。注意が必要です。
無重力クッションの意味
テレビのCMで生卵を挟んでも割れないという実験が放送されていますが、体重が卵にかからず割れないことがつまり無重力という意味を表しているようです。
どのメーカーのゲルクッションでも生卵が割れないという実験結果が出そうですが、卵1個を真ん中に置く場合は股の隙間で体重がかからないので、実験としてはあまり意味がありません。
骨盤の先にある仙骨部分からふとももの筋肉にかけて左右2箇所に卵を置いても割れないのであれば「なるほど」と思いますが、ゲルクッションとしての性能はどうなのかな、と思います。
ゲルクッションによっては厚みが倍のタイプなどが販売されていますが、ゲル層が厚くなれば体重分散の性能が高くなります。
厚みがあること=快適に長時間座れる。とは限らないので、ある程度体重を分散させつつ、姿勢をキープ出来ることが大切です。
ゲルクッションを使ってみた感想
ゲルクッションに初めて座ると「これは快適だ!」と思うでしょう。しかし、毎日どんな場面でも必要になるかというと、少々疑問です。
ひとつは、人が日常で座る場所を想定すると場面が多すぎです。主婦の場合は、家庭内での座る場所が限られているように見えますが、いざ自宅から出ると座る場所の多さにびっくりします。
ゲルクッションは1つでいいか?
サラリーマンの場合は職場と家庭という2つに限定されますが、通勤時間の電車の中や車のシートなどに座っている時間も長いものです。
ゲルクッションは持ち運びが簡単ですが、約1キロを超えるクッションを日常的に持ち運ぶことは非現実的です。筆者は自宅、車、職場に持ち運ぶことを試してみましたが、それなら3つ買えば?という気持ちになりました。
3つ買うと1万円以上になりますが、それほどの効果を期待するか?車の運転中はいらないな、職場はどうかな?長時間だから必要だな、自宅ではどうだ?週末だけの使用かな?
こんなトライアルの結果、職場に1つ。自宅に1つという結果になりました。
ゲルクッションは腰痛対策にならない
筆者は腰痛持ちです。ゲルクッションは尻痛対策グッズなので腰痛予防、腰痛緩和、腰痛治療の効果はありません。腰痛防止や改善は期待しないほうがよいです。
しかし、座るという場面は日常生活では避けられないもので、腰痛と尻痛の両方に悩んでいる人の場合は、尻痛の軽減になるので、ゲルクッションが効果的でしょう。
尻痛が緩和されると長時間座りがちになり、腰にはよくないです。尻痛が緩和されたからと言って座り続けることは全身にもよくないので20分程度で一度、立ち上がることを意識したいものです。
ダイエットの尻痛対策に
ダイエットするとお尻の脂肪が薄くなります。これが尻痛の原因なのですがゲルクッションはこの尻痛の緩和になります。
ダイエットしたけれどお尻が痛くなった。と悩んでいる人にはゲルクッションは効果的かも知れません。
冬のコタツ、痔持ちにも
コタツに入るのが好きという方も多いでしょう。あぐらをかくとリラックス出来るという人も多いです。あぐらは比較的足のポジションを変えて体圧を分散したり血行をよくしたりするものです。
しかし、お尻の仙骨2点で座っているのでお尻がしびれてくるという人も多いでしょう。
そのタイミングで立ち上がって少しうろうろすれば改善するのですが、あまりにしびれや痛みが多いという方はゲルクッションがおすすめです。
座ること=痔に悪い。そういう方にも体圧分散のゲルクッションは効果的です。
筆者も痔持ちですが、硬い座布団に座るよりもおしりのうっ血度が軽くなったように感じます。
特に仙骨の後ろ側にゲルクッションを置いて座ると肛門付近への圧が軽くなるので快適です。
ゲルクッションのお手入れは?
ゲルクッションは構造がシンプルなので、カバーをつけて使っている限り汚れる心配はないでしょう。
ただし、湿気を吸ったり、シート付近のホコリが付着していますので、ゲルクッションの説明書を見てお手入れすることをおすすめします。
筆者の場合は水道で温水を出して洗面所で真水でゆすぐ程度ですが、ホコリ状の汚れは取れます。
熱いお湯は使わず、冷たい水だと油分が流せないのでぬるま湯にしています。
カバーのお手入れもゲルクッションのメーカーごとに違いますが、基本はメッシュで出来ているのでぬるま湯での手洗いがいいでしょう。滑り止めのポチポチがついていて、摩擦で取れてしまうという悩みもあるようですが、市販のカバーを探してみるのも一つです。
ただし、ゲルクッションの場合はカバーでゲルシートの形状をキープしているので、大きすぎたり小さすぎたりするとせっかくのゲルクッションの効果が台無しになります。
ゲルクッションで快適な生活を!