佐藤オオキさんが世界一受けたい授業に出演してスプーンや懐中電灯を紹介してくれましたね。
デザイナーと言われる佐藤オオキですが、僕は職人のような印象を受けました。なぜなら、見た目の美しさだけでなく実用性のあるモノづくりにこだわっているように思えたからです。
モノを作るということは男女問わず楽しいものですが、佐藤オオキさんのデザインにもモノづくりを純粋に楽しみながら、作ったものを「使う」という発想を感じます。
僕には小学生の子供がいるのですが、モノを作ることに興味があるらしく4月のカレンダーをすでに破って何かゴソゴソと作り始めています。比較してはいけませんが、紙を追ったりセロハンテープで箱状にしたりする様子をみると、将来は佐藤オオキか?と親バカ目線で見てしまいます。
さて、佐藤オオキのデザインはいったい何を目的にしているのでしょうか。
佐藤オオキの実用性のあるモノづくり
代表的な作品に「木で出来た箸」がありますね。螺旋状の箸が1本に一体化するというものです。
箸は2本なので、持ち運びには箸箱が必要。また、箸を収納する時に揃いの箸が入り乱れてしまうという使いづらさもありますね。
僕の家では、僕の箸と嫁の箸と子供たちの箸がそれぞれ色が違うのですが、箸立てに立ててしまうと、色を見て2本を取り出すということが不便に感じます。
全員が同じ色なら大衆食堂のように便利なのですが、お気に入りの箸で食べたいというニーズには答えられませんね。
デザート用カトラリーも原始時代の石器をモチーフにしていますが、プリンやゼリーやケーキを食べるときにはとても便利だろうなと思います。
フォークとスプーンとナイフの3本を使い分けるなら、1本で済んでしまようなデザインのカトラリーを見ると、なぜ今までなかったんだろうと思うこともあります。
仙台に行くとわらび餅が売られていますが、竹で作った小さなナイフ状の用具がついていてわらび餅が簡単に切り分けられ、口に運ぶことが出来ます。
chu-keshi
ユーズドのTシャツやビンテージ・ジーンズのように、あらかじめ「使い込んだ」デザインにした消しゴムhttps://t.co/cYpEu3HJEy … pic.twitter.com/ObHppY34wP— 佐藤オオキnendo (@SatoOOki_nendo) 2018年4月17日
この作品のコンセプトも、角が立っていてまっさらな消しゴムは使う決心がつきにくいがこのデザインなら躊躇なく使えるという、まったく新しい感覚でデザインされています。
このように佐藤オオキデザインは「使うことを前提」にデザインされているので、何の目的なんだろうとイメージすることも楽しいですね。
頭の柔らかさが試されるなあとつくづく思います。
佐藤オオキの経歴
名前は佐藤オオキ(さとう おおき)で本名なんですね。
誕生日:1977年12月24日、クリスマスイブ生まれの現在40歳(2018年現在)
出身はカナダのトロントですが、理由はお父さんの仕事の関係で中学に入るまでトロントで過ごしたそうです。
その後、日本に帰国。
東京学芸大学付属大泉中学校
早稲田大学高等学院
早稲田大学理工学部建築学科(なんと首席で卒業!)
早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専攻)
そして、デザインオフィス「nendo」を設立。
このnendoという社名は想像どおり粘土から来ています。
nendoという会社では、プロダクトデザイン、インテリアデザイン、建築設計、グラフィックデザインなどなどを手がけています。
世界が尊敬する日本人100人に選ばれる
佐藤オオキが2006年にはNewsweek誌の「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれ、2007年にはnendoが「世界が注目する中小企業100社」に選ばれています。
EDIDAデザイナー・オブ・ザ・イヤーの受賞やnendoの商品発表でしょうね、国際的に認められているという証です。しかも35歳という最年少受賞です。
世界に影響を与えた人物として注目されたということで国際的な賞を受賞し、作品も国際的な価値観を持つと評価されたのでしょう。
僕はこの賞を見るたびに日本人として誇らしく思いますが、同時に世界から日本人がどのような見られているのか興味を持ちます。
鈴木宗男氏のように日ロ関係を支えた功績という僕たち日本人でもよく知らない評価があったりします。
和風総本家という番組が好きでよく見ていますが、職人の技術が世界に認められる様子を見ると、より多くの人が選ばれていいのではと思います。
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